前回の投稿から半年以上経っている・・・。
ごめんなさい。長いことご無沙汰しておりました。
普段まともに更新もしないので、せめて2012年を振り返りましょうよ久瀬さん。
と言うことで、色んなサイト主様の皆さんがやられてる年間ベストを私もやろうかなと。
私は他の方ほど沢山買っていないため10選で・・・と思ったのですが、
何かの手違いで適当に並べて気付いたら12枚でした。許してにゃん♪
2011年の冬コミから2012年の冬コミ前までに頒布された作品たちからの選出になります。
それではどうぞ。
No.12 amorphous【cocoon】
結晶構造にとらわれない不定形音楽サークルamorphousの少女シリーズ3作目。
型にとらわれない事を掲げるだけあって、その時々やりたいことをやっている印象ですね。
前作の【binary tale】のキャッチーなガールズポップとは全く別もので、全編において
エレクトロニカやノイズアンビエント、ニューエイジ辺りの現代音楽的アプローチが色濃く表れてる。
幻想に現代音楽でアプローチを仕掛ける実験的な試みが私は大好物なんです。
「羽化」の壮観な音の拡がりは臨場感があって非常に気持ちが良いし、「Fairy」みたいに歌が幻想的でも
音を拡げるだけでなく引き締めて楽曲を浮つかせない、バランスのセンスが良いなあと感じました。
朗読やショートトラックも神秘的で、物語の背景を瞑想させるのに効果的に作用していました。
No.11 Pizuya's Cell【Merciless Lazuli Rose】
Pizuya's Cellのシネマティックなメタルの入口となった作品です。
シンフォニックやゴシックと限りなく近いのに全く違う、シネマティックという新しさの提示。
メタルの重厚感と映画音楽の緊迫感、ダイナミクスとの融合は後の作品の方が洗練されているけど、
この作品の時点でも調和が見られて、鑑賞するメタルとして見事なクオリティーでした。
それから全体通して雰囲気を非常に大切にしている繊細さだとか、
プログレメタルちっくな要素も私の好みにハマって長いこと何度も聴いてました。
好きな曲は勿論「Merciless Lazuli Rose」で、非常にバランスが良くて言うこと無い!
アンティークなデザインや「さとりちゃんこいしちゃんイチャラブ」のアートワークも大変気に入ってます。
あらゆる点でこの作品は私の感性に訴えかけてくる魅力に溢れてました。
No.10 monaca:factory【ラティメリアは夢を魅る】
神秘的な音色を操る癒し系の最中工場からはこれをよく聴いてました。
最近出た【Chocola EP】の可愛い方にシフトチェンジした作風も良かったけど、スルメだったのはこちら。
澄んだ空気感や音の響きには特に気を配っているんだろうなと思うくらい綺麗な響きが魅力的。
エレクトロニカを始めにブレイクビーツやディープハウス辺りの緻密で繊細なアプローチが目立ちますが、
アルバムの流れにそれぞれが作用し合って、美しい繋がりを形成しているのが見事でした。
ミニマル的エレクトロシークエンスでもしっかり起伏があって非常に聴きやすく心地よかったです。
「砂漠の蝶」や「ラティメリアの夢」辺りのディープな楽曲は特にスルメで、その緻密さに聴き惚れました。
小説風と言うよりは詩集的なブックレットの最後に続とあるので、いつか補完されるのかしら?
No.9 Leichia Carosello【Fairy Tale Atelier】
物語音楽はまだまだ終わらせないよ。将来有望な新星現る!
受け取った印象から大雑把に言えば、舞台劇、ミュージカルテイストの作風が特徴ですね。
系譜的にはMamyukka、RITORNOが挙げられますし、クラシカルなオーケストラアレンジや
メルヒェンちっくな雰囲気なんかも共通点として語られる事でしょう。ただし、あそこまで大所帯で
お騒ぎするのではなく、少女ただ独りの舞台劇で小ぢんまりとした特有の馴染みやすさが私は好き。
しっかり差別化はできているし、サークルのカラーも表れていて今後に大いに期待が持てます。
近年少数派の同人らしさにも好感が持てますし、7分越えの意欲的な大作も実に見事でした!
No.8 BubbleRecords【514】
514と書いて、こ・い・し、と読みます。
私はこいしちゃんが大好きなんです。こいしちゃんを愛してるんです!
そんな私に打って付けだったのがこの作品、「ハルトマンの妖怪少女」だけのアレンジ集。
こいしちゃんオンリー系アレンジと言えばMa-Hi-Teの【--深淵へ至る閉じた瞳へ至る深淵--】がありますが、
あちらのオーケストラアレンジに対し、こちらは計7曲約46分のハードコアテクノアレンジとなってます。
言ってしまえば、こいしちゃん好きの為のこいしちゃんときゃっきゃうふふしながら踊る為だけの作品。
狂ってるですって?いいえ、これが愛なのです!
No.7 SNACY【SNACY】
VOCALOIDでプログレなポップスを発表しているSNACYの1枚目のミニアルバム。
グレ的な丁寧に構築された大作傾向で、難解さはなくしっとりした空気感とメロディーを大切にしているのが好印象。
ガチガチのグレと言うよりはエレクトロニカ、ポストロック、シューゲイザー辺りのアプローチが印象的でした。
全体的にセンチメンタルな雰囲気のリリックも相まって、スっと心に染み入るのが良いのよね。
それらとは別にキャッチーなアプローチで描いた「Miku-Tack」は特に耳を惹いたなあ。
非常にポップだけど、グレ畑らしくフックの効いたアレンジは流石だと思うし、
しっとりした切ないメロディーなんかは卑怯だとすら思っちゃう。
綺麗で美しい作品なのに、最後に重音テトでヒップホップやっちゃう遊び心にもクスリとさせられました。
No.6 SKETCH UP! Recordings【ForceMotion】
ロリおっぱい!ムチムチおっぱい!アートワークが目印のSKETCH UP! Rec.から1枚。
王道も王道のド直球のハードコアテクノで、キラキラしててキャッチーでとにかくノリが良い。
輝かしい華やかな雰囲気も相まって、もの凄い勢いを感じました。爽快で気持ち良いのよね~。
気持ちが沈みがちな秋から冬に掛けては、この作品の飛び抜けたポジティヴさに救われましたね。
捻りがなさ過ぎて特別言うことないけど(笑)通勤のドライブ中、心の栄養剤になりました。ありがとう!
No.5 のん's Factory【World Ecriture】
一部で話題沸騰中、もはや説明不要な確固たる存在感を得たのんず工場の3作目。
同人は売上なんかより作者が好き勝手やって遊び心を見せて欲しいと思う私にとってまさに理想のサークルでした。
一部で話題になるのは、きっと近年の同人音楽のあり方に飢えを覚えていたからなのでしょう。
やっぱり作り手が楽しそうに創作した物は魂が宿ってますし、ちゃんと聴き手にも伝わるんですよね~。
底抜けにポジティヴな根拠無き自信に、裏付けられたしっかり構築された作品構成は実に見事!
さらっと聴いても大まかに物語が頭に入ってくるし、でも物語はちゃんとしっかりした強度がある。
このセンスと技量は飛び抜けていると言っても過言ではないでしょう。
今年もきっと私たちに楽しいを運んでくれることと期待しています。
No.4 幽閉サテライト【月に叢雲華に風】
今や国内に留まらず国外へも音楽を発信しているライブサークルの幽閉サテライト。
特別好きな理由はないサークルなんだけど、ノリが良いのとsenyaさんのボーカルには魅了されてます。
去年はシングル3枚に白狐茶会とのコラボアルバム1枚の発表に自身主宰のライブと実に精力的でした。
結局選んだのは単純にノリノリでよく聴いていたこれで、表題曲「月に叢雲華に風」が格好良くて大好き。
全体的に派手なアレンジが施されていたり、パワーに溢れていたりで、幽閉そのものの勢いを感じました。
中でも幽閉の名曲だと思ってる「小悪魔りんご」のユーロビートリミックスはガンガン踊りたい時によく聴きました。
キャッチーなだけでなく「ペルソナ」みたいにブロステップを組み込んでマニア心を擽ってきたのも良かった!
今年はフルアルバムやオリジナル作品辺にも期待したいなあ。
No.3 JOHN ZERONESS【meteor】
あの3.11以降、それに向けられた作品は数多くありますが、私の中ではこれです。
表題曲「メテオ」は説明不要ないくらいの名曲ですが、それを軸に肉付けされたのがこの作品。
「メテオ」の為の作品と言うことは、言い換えれば3.11を忘れない為の作品と言うことです。
特徴されるのは、明日や続き、と言ったワードで、来るはず明日、当たり前に続く日常の営み。
それらがいかに儚くて尊くて美しいものか、作者の主張が自然と聞こえてきて泣けるんです。
失われたものとの再会を願うインストから続く「僕らのつづき」は心に響いて涙なしには聴けない。
様々な願いを乗せた「メテオ」は単体の時よりもより一層輝いていました。名曲で名作なのは間違いなし!
No.2 凋叶棕【騙】
コンセプトアルバムの新時代を切り拓き続ける凋叶棕から嘘塗れの騙。
東方の知識はそこまで深く持ち合わせていない私でもある程度の補完でかなり楽しめました。
この作品を手に取った時から私たちは既に騙されていた、だなんて思いもしなかったでしょう。
キャラメル包装を開ける前にあれこれ気付いた時は思わず笑っちゃったもの、ある種の恐怖で。
何が嘘で何が真実なのか。嘘のあり方とは、真実のあり方とは。嘘は悪なのか、真実が善なのか。
嘘も真実も聴き手次第、お好きな方の道を歩みなさい、と聴き方次第で作品自体が分岐するのも面白かった。
嘘や真実について考えてみるのも、あえて騙されてみるのも一興ではないでしょうか?
No.1 シメサバツイスターズ【Progrematica】
あらゆる面で衝撃と感動をもらったのはシメサバツイスターズでした。
プログレッシヴロックとプログレッシヴメタルで緻密に構築した8編の組曲と
その他ジャンルごった煮4曲+1曲、一見多ジャンルごった煮を逆手に取った狡猾さに鳥肌でした。
多ジャンル、多数のVOCALOIDとUTAUを操りながらもそれ等が見事に一つに纏まるのです。
その核となるのが何と言っても作品の中で繰り広げられる劇中劇と幕間劇の存在で、
組曲の緊迫感の最中でかなりKYとも言える「シンデレラルール」の存在が成り立っちゃう。
多彩な音楽の集いを逆手に取った纏まりと作品の構想・・・音楽とコンセプトが見事に合致してる。
そして、劇が終わってもまだ幕は下ろさない「ダブルアンコール」と本当に見事としか言い様がないわ。
音楽面もグレの嫌らしさなんか無くて、とことんキャッチーでメロディアス、しめさばさんの作曲と技量とセンスが凄い。
可愛いポップな曲も良いし、「シンデレラルール」はとにかく超オススメ!
それらが作品名プログレマティカのメタに窺わせる自信の表れだったりしてね~。うん、傑作!
以上10選ならぬ中途半端なベスト12でした。
結果的にオリジナル、東方、ボカロがそれぞれ4枚ずつになってキリが良いですね。
大量購入せず少数精鋭で私の好みにマッチした作品に出会えたのは良かったなあと思います。
グレ以外は特別このジャンルが好きと言うのも無いですし、今年も気が向くままに聴きたい作品を買うだけですね。
同人音楽用にツイッターとブログを始めてもう1年経ってしまうようです。かと言って今年はどうするでもなく
プライベートの事もあるので、今まで通りアヴァロンの玉座で腐りながらのんびりとやろうかなと思います。
読んでくださった方々、ありがとうございました。
少しばかりでも正月休みの余興になって頂ければ幸いに思います。
# by waage_94 | 2013-01-06 19:52 | 同人音楽