2012年のまとめ

前回の投稿から半年以上経っている・・・。
ごめんなさい。長いことご無沙汰しておりました。
普段まともに更新もしないので、せめて2012年を振り返りましょうよ久瀬さん。
と言うことで、色んなサイト主様の皆さんがやられてる年間ベストを私もやろうかなと。
私は他の方ほど沢山買っていないため10選で・・・と思ったのですが、
何かの手違いで適当に並べて気付いたら12枚でした。許してにゃん♪
2011年の冬コミから2012年の冬コミ前までに頒布された作品たちからの選出になります。
それではどうぞ。



No.12 amorphous【cocoon】
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結晶構造にとらわれない不定形音楽サークルamorphousの少女シリーズ3作目。
型にとらわれない事を掲げるだけあって、その時々やりたいことをやっている印象ですね。
前作の【binary tale】のキャッチーなガールズポップとは全く別もので、全編において
エレクトロニカやノイズアンビエント、ニューエイジ辺りの現代音楽的アプローチが色濃く表れてる。
幻想に現代音楽でアプローチを仕掛ける実験的な試みが私は大好物なんです。
「羽化」の壮観な音の拡がりは臨場感があって非常に気持ちが良いし、「Fairy」みたいに歌が幻想的でも
音を拡げるだけでなく引き締めて楽曲を浮つかせない、バランスのセンスが良いなあと感じました。
朗読やショートトラックも神秘的で、物語の背景を瞑想させるのに効果的に作用していました。



No.11 Pizuya's Cell【Merciless Lazuli Rose】
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Pizuya's Cellのシネマティックなメタルの入口となった作品です。
シンフォニックやゴシックと限りなく近いのに全く違う、シネマティックという新しさの提示。
メタルの重厚感と映画音楽の緊迫感、ダイナミクスとの融合は後の作品の方が洗練されているけど、
この作品の時点でも調和が見られて、鑑賞するメタルとして見事なクオリティーでした。
それから全体通して雰囲気を非常に大切にしている繊細さだとか、
プログレメタルちっくな要素も私の好みにハマって長いこと何度も聴いてました。
好きな曲は勿論「Merciless Lazuli Rose」で、非常にバランスが良くて言うこと無い!
アンティークなデザインや「さとりちゃんこいしちゃんイチャラブ」のアートワークも大変気に入ってます。
あらゆる点でこの作品は私の感性に訴えかけてくる魅力に溢れてました。



No.10 monaca:factory【ラティメリアは夢を魅る】
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神秘的な音色を操る癒し系の最中工場からはこれをよく聴いてました。
最近出た【Chocola EP】の可愛い方にシフトチェンジした作風も良かったけど、スルメだったのはこちら。
澄んだ空気感や音の響きには特に気を配っているんだろうなと思うくらい綺麗な響きが魅力的。
エレクトロニカを始めにブレイクビーツやディープハウス辺りの緻密で繊細なアプローチが目立ちますが、
アルバムの流れにそれぞれが作用し合って、美しい繋がりを形成しているのが見事でした。
ミニマル的エレクトロシークエンスでもしっかり起伏があって非常に聴きやすく心地よかったです。
「砂漠の蝶」や「ラティメリアの夢」辺りのディープな楽曲は特にスルメで、その緻密さに聴き惚れました。
小説風と言うよりは詩集的なブックレットの最後に続とあるので、いつか補完されるのかしら?



No.9 Leichia Carosello【Fairy Tale Atelier】
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物語音楽はまだまだ終わらせないよ。将来有望な新星現る!
受け取った印象から大雑把に言えば、舞台劇、ミュージカルテイストの作風が特徴ですね。
系譜的にはMamyukka、RITORNOが挙げられますし、クラシカルなオーケストラアレンジや
メルヒェンちっくな雰囲気なんかも共通点として語られる事でしょう。ただし、あそこまで大所帯で
お騒ぎするのではなく、少女ただ独りの舞台劇で小ぢんまりとした特有の馴染みやすさが私は好き。
しっかり差別化はできているし、サークルのカラーも表れていて今後に大いに期待が持てます。
近年少数派の同人らしさにも好感が持てますし、7分越えの意欲的な大作も実に見事でした!



No.8 BubbleRecords【514】 
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514と書いて、こ・い・し、と読みます。
私はこいしちゃんが大好きなんです。こいしちゃんを愛してるんです!
そんな私に打って付けだったのがこの作品、「ハルトマンの妖怪少女」だけのアレンジ集。
こいしちゃんオンリー系アレンジと言えばMa-Hi-Teの【--深淵へ至る閉じた瞳へ至る深淵--】がありますが、
あちらのオーケストラアレンジに対し、こちらは計7曲約46分のハードコアテクノアレンジとなってます。
言ってしまえば、こいしちゃん好きの為のこいしちゃんときゃっきゃうふふしながら踊る為だけの作品。
狂ってるですって?いいえ、これが愛なのです!



No.7 SNACY【SNACY】
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VOCALOIDでプログレなポップスを発表しているSNACYの1枚目のミニアルバム。
グレ的な丁寧に構築された大作傾向で、難解さはなくしっとりした空気感とメロディーを大切にしているのが好印象。
ガチガチのグレと言うよりはエレクトロニカ、ポストロック、シューゲイザー辺りのアプローチが印象的でした。
全体的にセンチメンタルな雰囲気のリリックも相まって、スっと心に染み入るのが良いのよね。
それらとは別にキャッチーなアプローチで描いた「Miku-Tack」は特に耳を惹いたなあ。
非常にポップだけど、グレ畑らしくフックの効いたアレンジは流石だと思うし、
しっとりした切ないメロディーなんかは卑怯だとすら思っちゃう。
綺麗で美しい作品なのに、最後に重音テトでヒップホップやっちゃう遊び心にもクスリとさせられました。



No.6 SKETCH UP! Recordings【ForceMotion】
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ロリおっぱい!ムチムチおっぱい!アートワークが目印のSKETCH UP! Rec.から1枚。
王道も王道のド直球のハードコアテクノで、キラキラしててキャッチーでとにかくノリが良い。
輝かしい華やかな雰囲気も相まって、もの凄い勢いを感じました。爽快で気持ち良いのよね~。
気持ちが沈みがちな秋から冬に掛けては、この作品の飛び抜けたポジティヴさに救われましたね。
捻りがなさ過ぎて特別言うことないけど(笑)通勤のドライブ中、心の栄養剤になりました。ありがとう!



No.5 のん's Factory【World Ecriture】
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一部で話題沸騰中、もはや説明不要な確固たる存在感を得たのんず工場の3作目。
同人は売上なんかより作者が好き勝手やって遊び心を見せて欲しいと思う私にとってまさに理想のサークルでした。
一部で話題になるのは、きっと近年の同人音楽のあり方に飢えを覚えていたからなのでしょう。
やっぱり作り手が楽しそうに創作した物は魂が宿ってますし、ちゃんと聴き手にも伝わるんですよね~。
底抜けにポジティヴな根拠無き自信に、裏付けられたしっかり構築された作品構成は実に見事!
さらっと聴いても大まかに物語が頭に入ってくるし、でも物語はちゃんとしっかりした強度がある。
このセンスと技量は飛び抜けていると言っても過言ではないでしょう。
今年もきっと私たちに楽しいを運んでくれることと期待しています。



No.4 幽閉サテライト【月に叢雲華に風】
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今や国内に留まらず国外へも音楽を発信しているライブサークルの幽閉サテライト。
特別好きな理由はないサークルなんだけど、ノリが良いのとsenyaさんのボーカルには魅了されてます。
去年はシングル3枚に白狐茶会とのコラボアルバム1枚の発表に自身主宰のライブと実に精力的でした。
結局選んだのは単純にノリノリでよく聴いていたこれで、表題曲「月に叢雲華に風」が格好良くて大好き。
全体的に派手なアレンジが施されていたり、パワーに溢れていたりで、幽閉そのものの勢いを感じました。
中でも幽閉の名曲だと思ってる「小悪魔りんご」のユーロビートリミックスはガンガン踊りたい時によく聴きました。
キャッチーなだけでなく「ペルソナ」みたいにブロステップを組み込んでマニア心を擽ってきたのも良かった!
今年はフルアルバムやオリジナル作品辺にも期待したいなあ。



No.3 JOHN ZERONESS【meteor】
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あの3.11以降、それに向けられた作品は数多くありますが、私の中ではこれです。
表題曲「メテオ」は説明不要ないくらいの名曲ですが、それを軸に肉付けされたのがこの作品。
「メテオ」の為の作品と言うことは、言い換えれば3.11を忘れない為の作品と言うことです。
特徴されるのは、明日や続き、と言ったワードで、来るはず明日、当たり前に続く日常の営み。
それらがいかに儚くて尊くて美しいものか、作者の主張が自然と聞こえてきて泣けるんです。
失われたものとの再会を願うインストから続く「僕らのつづき」は心に響いて涙なしには聴けない。
様々な願いを乗せた「メテオ」は単体の時よりもより一層輝いていました。名曲で名作なのは間違いなし!



No.2 凋叶棕【騙】
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コンセプトアルバムの新時代を切り拓き続ける凋叶棕から嘘塗れの騙。
東方の知識はそこまで深く持ち合わせていない私でもある程度の補完でかなり楽しめました。
この作品を手に取った時から私たちは既に騙されていた、だなんて思いもしなかったでしょう。
キャラメル包装を開ける前にあれこれ気付いた時は思わず笑っちゃったもの、ある種の恐怖で。
何が嘘で何が真実なのか。嘘のあり方とは、真実のあり方とは。嘘は悪なのか、真実が善なのか。
嘘も真実も聴き手次第、お好きな方の道を歩みなさい、と聴き方次第で作品自体が分岐するのも面白かった。
嘘や真実について考えてみるのも、あえて騙されてみるのも一興ではないでしょうか?



No.1 シメサバツイスターズ【Progrematica】
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あらゆる面で衝撃と感動をもらったのはシメサバツイスターズでした。
プログレッシヴロックとプログレッシヴメタルで緻密に構築した8編の組曲と
その他ジャンルごった煮4曲+1曲、一見多ジャンルごった煮を逆手に取った狡猾さに鳥肌でした。
多ジャンル、多数のVOCALOIDとUTAUを操りながらもそれ等が見事に一つに纏まるのです。
その核となるのが何と言っても作品の中で繰り広げられる劇中劇と幕間劇の存在で、
組曲の緊迫感の最中でかなりKYとも言える「シンデレラルール」の存在が成り立っちゃう。
多彩な音楽の集いを逆手に取った纏まりと作品の構想・・・音楽とコンセプトが見事に合致してる。
そして、劇が終わってもまだ幕は下ろさない「ダブルアンコール」と本当に見事としか言い様がないわ。
音楽面もグレの嫌らしさなんか無くて、とことんキャッチーでメロディアス、しめさばさんの作曲と技量とセンスが凄い。
可愛いポップな曲も良いし、「シンデレラルール」はとにかく超オススメ!
それらが作品名プログレマティカのメタに窺わせる自信の表れだったりしてね~。うん、傑作!



以上10選ならぬ中途半端なベスト12でした。
結果的にオリジナル、東方、ボカロがそれぞれ4枚ずつになってキリが良いですね。
大量購入せず少数精鋭で私の好みにマッチした作品に出会えたのは良かったなあと思います。
グレ以外は特別このジャンルが好きと言うのも無いですし、今年も気が向くままに聴きたい作品を買うだけですね。
同人音楽用にツイッターとブログを始めてもう1年経ってしまうようです。かと言って今年はどうするでもなく
プライベートの事もあるので、今まで通りアヴァロンの玉座で腐りながらのんびりとやろうかなと思います。
読んでくださった方々、ありがとうございました。
少しばかりでも正月休みの余興になって頂ければ幸いに思います。
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# by waage_94 | 2013-01-06 19:52 | 同人音楽

十六夜神楽

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【十六夜神楽 (2012)】 Eine kleine


同人音楽という狭い世界の中で人気ジャンルの一つでもあるゴシック系。
Asrielの活躍以降、雨後の筍の如くその手のサークルさんが次々とデビューする訳です。
勿論Asriel登場以前にもゴシックらしきことをやってたサークルさんが存在した訳だけど、
一大ジャンルとして浸透したのはやはりAsrielの功績が大きいかなぁ、と個人的に思うのよね。
それから数年経った今、Asriel以外はどんぐりの背比べってイメージを持ってる。
この手のジャンルって海外のゴシックドゥームより耽美なV系からの影響下にあるのが常でさ、
最近はV系からそのまま流れてきてる様な動きもあるのかな。コテコテの姿を見るのも珍しくなくなった。
で、ゴシック系というのは同人音楽の入口のひとつでもあると私は思ってね。
V系に始まり、ALI PROJECTや妖精帝國とかが代表的かな…サブカルに触れていると何処かで接触するであろう、
これらのアーティストとゴシック系のサークルは音楽性が近い故に同人音楽を知らずとも、
何処かで触れたような感覚があるため、初めてでも戸惑いは無く受け入れやすい。
そして、この手のジャンルをすごく欲していたりしててすぐに同人音楽の虜になっていく。
色々なブログを巡回していると、大体みんなこんな感じで同人音楽にたどり着いてるのよね(笑
だから入口にした人が飽きて離れようとも、いつでも一定数の需要はあるんじゃないかなぁとは思ってる。
ただ数年前よりは競争は厳しいと思うけどねぇ~。

で、Sylfioreさんと猫の福音さんが融合したこのEine kleineもV系の匂いを感じさせる訳ですが、
前作のゴシックちっくなアートワークスから一変して、和風テイストなのが印象的な十六夜神楽。
前作についてTwitterで辛いことばかり呟いたのだけど、今思えば合同企画というよりは
2つだったサークルを1つにする事が狙いだったのかなぁ…と思い直すと、あれで良かったのか…ともね。
でも、この作品にはkukuriさんが見当たらなくてさ、不思議に思って今更ふらっと公式サイト見に行ったら、
去年Sylfioreさんを脱退されているじゃないですか!!ツインボーカルのハーモニー聴きたかったなぁ…。
ん?これってさ、つまり事実上Eine kleine=猫の福音ということになるのかな。布陣は同じだし…。

そんな風に置き換えて聴いてみても、今回の作品は猫の福音さんの作風とはまた微妙に違う。
和風テイストを意識しているのは視覚からもよく伝わるのだけど、和楽器を大胆に採用している。
いつもよりも情緒溢れる和風ならではの品の良い風格ある耽美さが現れている。
一番の違いは1曲目のインストで分かるのだけど、ヘヴィネスに傾倒した重たいバッキングリフやメタリックなリフ。
今まではメロディーに重点が置かれていた様なリフだからこれは大きな変化点。
ヘヴィネスに傾倒するとどうしてもメロディーを失う弱点を抱えるのだけど、そこを和楽器でカバー出来てる。
2曲目なんかはヘヴィなリフと和楽器の舞の絡み合いが気持ち良い。いつも通りの彼らの様で微妙に違う。
3曲目はイントロから随分とヘヴィなリフで責め立てたりして、従来のメロディアスさはどこへ…と一瞬戸惑うものの、
曲が進むにつれて今までの彼らには無かった展開が聴けたりする。
グレ風のドラマチックな展開が魅力的で、それを新しいEine Kleineの音として落とし込んでるのも好印象。
ちゃんと彼ららしさも生きてて、朔夜さんのクリーントーンギターのゆらめきなんて素敵じゃない。
こういう曲書けるんだ、ってちょっと見直した。この曲だけ特に飽きが来ないもの。
4曲目はアンプラグドみたいな無音の空間でくろねこさんの独唱。これも今までに無かったかな。

そんな訳で新しいこと尽くめの十六夜神楽、音からもう攻めの意志は充分感じました。
今回の変化は色々と決意表明的な部分もあったりするのかしら?などと今更ながら思いましたが、
ネガティブな感じはしないし、ナヨナヨした軟弱さもないしで結構堂々とした作品になってるなぁ。
でも、ナヨナヨした軟弱なメロディアスさも欲しいので、これから洗練されていったら良いなぁと期待を込めて。
3作目は勝負作。頑張って!!
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# by waage_94 | 2012-06-14 21:43 | 同人音楽

同人音楽.book-2012 Spring-

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【同人音楽.book-2012 Spring- (2012)】 同人音楽同好会


春と言えば出会いの季節。
春と言えば恋の季節。
しかし、大抵それは浮ついた気持ちからくる単なる錯覚だそうで。
まぁ、幻想に惑わされていないでさっさ目を覚ましなさいってことだね。

そんな訳で今回も同人音楽同好会さんの新刊を読んだ。
今回は男性ボーカルに焦点が絞られた内容になってる。
内容的にカバーイラストは男の子の方が良かったんじゃないかしら?
やはり女の子の方が受けが良いのかしら…と邪推してみたり。
他の内容はエッセイや10選、クロスレビューといつも通りの内容。
いつも通りなのでこの辺は言うことなしという事で割愛。

まず巻頭特集としてMintJamのTERRAさんという大手も最大手のインタビューがある。
とにかく男性ボーカルを推したいんだなぁ、というのは何となく伝わります。
MintJamは聴いた事が無いですが、ボーカリストとして気をつけている事とか
ふむふむなるほどなぁと。彼なりのプロ意識を垣間見ることができます。
機材とか専門的な話は読んでてちんぷんかんぷんだったけど(笑

続いては父さん・七誌さん・ゴムさん、3名の男性ボーカル座談会のコーナー。
ゴムさんしか分からない…。
男性ボーカルならではの悩みは読んでて興味深かった。
ああ、そういうとこ気にするんだって。
男性なら共感できるのかしら?わからん。
内容は面白かった。

でも、本の構成的に考えてコーナーの位置が違うんじゃない?って思った。
前編後編に分けたのも多分座談会が長くなったから、だとは思うのだけど。
巻頭からインタビュー、座談会と続くと男性ボーカル当人からの話が続くので、
受け手側から見て男性ボーカルの現状をどう思っているのか、エッセイでワンクッション欲しい。
うーん、読んでてそのエッセイ的なものが足りないと思ったのよね。
座談会の話からでも確かに男性ボーカルを取り巻く現状を把握することは出来るけど、
それは当人たちから見てだし、じゃあ同人音楽同好会サークルさんから見て、
男性ボーカルを取り巻く現状をどう思ってるの?って、それが知りたかったなぁ。
何かあるから今回特集としてテーマに掲げた訳だと思うし、そこが不足しているなぁとは思った。

特集後半に座談会続きの前に男性ボーカルCDのオススメとして37枚が紹介されている。
見事に私は1枚もかすらないくらい知らない作品ばかりだった。
そういう意味で今回の本は男性ボーカルの周知になるかもしれない。
男性ボーカルものに特に関心が無かった私には少々勉強になる本でした。
ちなみに4月1日企画のMSMは多分男性ボーカル特集の序章だったのだと推測してますが如何でしょう?
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# by waage_94 | 2012-06-06 18:45 | 同人誌

カフカなる群青へ

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【カフカなる群青へ (2012)】 幽閉サテライト


例大祭が終わったばかりというのに私は何をやっとるのか…。
もう少しばかり記憶を遡るババァの回想ツアーにお付き合い下さい。

例えばスタジオ音源よりもライブパフォーマンスの方が凄いという所謂ライブバンドという稀有な存在がある。
近年ではライブを行うサークルさんも増えているし、そういうイベントも毎月あるくらいの頻度で開かれている。
少し前じゃ考えられない現象なんだけど、とうとうここまできたかーと感慨深くもなる。
この幽閉サテライトさんの評判を小耳に挟むと、どうやらライブバンドならぬライブサークルと言えそうだ。
いやまぁ、私は実際そのパフォーマンスを目の当たりにしたことはないんだけどさ。

さてと、でC81で発表した『月に叢雲華に風』から2ヶ月も経たずに発表されたのが本作。
前作についての記事を書いた時点で既に出てたんだよね…。
カフカなる群青へ、という事で凛々しい天子ちゃんとスカイブルーの天空が爽やかなジャケが印象的。
カフカというとまぁ有名なフランツ・カフカさんの事を指すのだろう。
彼というよりは彼による思想的な哲学の方かな、うん。
帯のライナーにある「我唄う、ゆえに我あり」なんかはそうよね。
いやいやデカルトさんだろ、とツッコミつつね。
多分これは幽閉サテライトさん自身も提唱する哲学なんだろうけど。

表題曲となる「カフカなる群青へ」は比那名居天子というキャラクターのバックグラウンドから
天子の生や性格を彼女自身がネガティブに捉えて、悩み考え答えを導き出すって感じかな。
あんな有頂天な彼女がこんな風にふと考えたり、うじうじ悩んでたりしたら萌える(笑
まぁ、でもきっとそんな側面があっても良いよね。それを妄想するのが二次創作だもの。
AメロとBメロまでがうじうじ考えたり悩んだりネガティブな印象で、サビで答えを導き出す。
音もそんな感じでサビで晴れ渡るような爽快感のあるピアノハウスで心地が良い。
最初の問いに対して、最後は答えで締めくくられている。
これは彼女の答えでもあり、同じように生を授かった理由を求める者へ答えを提唱しているようにも思う。
これが天子ちゃんが提唱する哲学「我唄う、ゆえに我あり」なのだと。
ネガティブからポジティブへと繋がる展開が好感触でした。

B面となる「彼岸花」はこちらも突き抜けたハードさとかは控えめ。
表題曲同様爽やかな綺麗目のハウスなんだけど、明るい雰囲気ではなくて暗い?とは違うか。
senyaさんの低音と高音のコントラストが美しい、凛としたシリアスなムード感がある。
で、私はリリックで好きな箇所があってね

悪い私に罰を与える様に
この喉元に咲かせてよ彼岸花


情景をイメージしたら綺麗だろうな、と思ってさ。
趣のある表現をされるなぁ、と。うん、なんかここ良いなぁとしみじみ感心してる(笑
ところで何故B面に彼岸花?と疑問だったのだけど、天上の花ということでなるほど関連性はあるのね。
ただ、誰視点で解釈したらいいものやらと悩んだのだけど、そのまま小町ちゃんで良いんだよね?
で、そのアンサー的なものが最近出た『華鳥風月』か!?
ああ、だからジャケも映姫様なのか、と勝手に納得しました。
その辺はまた『華鳥風月』の記事書く時にでも検証するということで。

ただ、今回感想書いておいてアレなんだけど、既に主要の同人ショップでは軒並み品切れのようです。
今のところ在庫が確認出来るのはD-STAGEさんくらい。委託物がこんなペースで捌けてたかな…。
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# by waage_94 | 2012-06-03 15:54 | 同人音楽

Merciless Lazuli Rose

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【Merciless Lazuli Rose (2011)】 Pizuya's Cell


気付いたら前回の投稿から3ヶ月以上も立っちゃってるよ。
きっと時間の感覚が鈍ってるんだろうなぁ、とか年寄りめいたことを思っていたりしてね。
少しばかり記憶を掘り起こして、半年前の回想と行こうじゃないか。

そんな訳でPizuya's CellさんのC81で発表された作品。
もう何作目になるのか分からんくらいの老舗サークルさんなわけだけど、
確か昔作品を聴いた時は「微妙だな…」くらいのとても好意的じゃない感想を抱いた記憶がある。
そんなサークルさんを何故今更改めて聴こうなんて思ったのか?
それはさとりちゃんとこいしちゃんのイチャイチャラブラブな艶かしいジャケが魅力的だから。
デザイン周りもシックな落ち着きがあって、ほどよくアンティークな質感が素敵。
昔は~だなんて先入観を払拭するには充分の視覚効果だと思うわ。

第一ステップはクリアとして、じゃあ音の方はどうなのか?というと、
決してジャケ負けはしていない、相応の作品に仕上がっていると思う。
メタルの国内盤によくあるジャンルが書いてある感じで、帯に<シネマティックメタル>ってある。
これがこの作品を示す、または目指すジャンルなのでしょう。
で、聴いた感じは重厚なギターリフや暗いピアノはゴシックメタルっぽいし、
壮大なストリングス・オーケストレーションはシンフォニックメタルの感じはあるし、
女性ボーカルということで、ざっとまとめるとフィメールシンフォニックゴシックメタル、かな?

じゃあシネマティックメタルじゃなくて良いじゃない、とか意地悪にも思ったりするのだけど、
一方で確かにゴシックでもシンフォニックとも言い難いよなぁ、とも思うんですよね。
なんだろ、モダンなゴシック系に見られるチェンバロとかパイプオルガンで訴える掛けるクサさとか、
シンフォニック系に見られる大仰な表現、大げさなクサさが無い。ゴリ押しのクサさは感じない。
上記の二つは大抵メロディーの美しさに加えて、パワフルなクサみがあるけど、そういうのとは違う感じ。
その辺を意識しての差別化なのかなと思うわけですよ。

何が違うんだろう?と意識的に聴いてみるとなるほどなぁと。
映画音楽の様な緊張感とダイナミクスがあるのね。
ここで言うダイナミクスというのはロックが持つダイナミクスとはまったく別物。
奥行きのある空間を包み込む臨場感を演出するミックスが施されてる感じ。
ここがゴシックともシンフォニックとも全く違うシネマティックさであり、こだわりなのかも。
映画観賞用のヘッドホンとかで聴くとまた包み込まれ感が凄くいいのよね。
完全にヘドバンするようなロックな作品とは別ベクトルの、落ち着いて鑑賞する作品ってとこかな。
シンフォニックメタルのような熱さは無いけど、これはこれで良いなと長いこと聴いてます。

特に9曲目の表題曲「Merciless Lazuli Rose」の存在が私をそうさせるのよね。
メタルとして聴いたらそりゃ面白い要素は無いんだけど、シネマティックなメタルとして
全体のバランスがとても良い。主張しない刻むだけの重厚なバッキング、不穏に包み込むオーケストラとクワイア
その隙間を縫って儚く響くピアノとめらみぽっぷさんの艶やかな歌声が素晴らしいバランスで同居している。
中でもめらみぽっぷさんの可愛らしい歌声が浸透しているのは驚きだったかな。
暗くなり過ぎない働きをしているというか、彼女ならではの存在感が確かにある。
そして、シンプルに綴られた切ない姉妹愛に溢れたリリックがすっと耳に入って良いんだぁ。

で、改めてクレジットを見ると、個性が喧嘩しそうな面子が揃っているのだけど、
すごい協調してるのは凄いなぁ。誰一人前に出過ぎず足並みが揃って調和が保たれている。
そして、それぞれがしっかり役割を担い、それを果たしている。作品のクオリティーがその結果。
ただ、BLOOD STAIN CHILDのSOPHIAさんは界隈的に卑怯だなぁ(笑)とか思っちゃったりする。
でも、日本のサブカル文化にゾッコン!(死語)な彼女だから、この出会いは必然だったのかも。
プロだろうがアマだろうが日本人だろうが外国人だろうが好きだからやる!それが同人だ!!
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# by waage_94 | 2012-06-02 23:26 | 同人音楽